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「科学の扉」DNAワクチン 治験中 (2018.06.18 朝日新聞朝刊)

皆さんははしかや水ぼうそう、インフルエンザなどの病気になった事はありますか?
これらの病気は一度かかると再び感染しにくくなります。
それは皆さんの体に備わった「免疫」の働きによるものです!!
「免疫」システムは複雑でいろいろな機能がありますが、「抗体」や「免疫細胞」といった機能があります。
これらの機能が病原体を攻撃し速やかに排除することで、病気にかかりにくくなったり、かかっても症状が軽く済んだりします。
この免疫システム、最初に感染した時は病原体を排除するのに約1週間かかってしまいますが、2度目には速やかに攻撃します。
そこで、事前に免疫システムを機能させて準備しておく方法が「ワクチン」と呼ばれるものです。
ワクチンには弱毒化した病原体を使う「生ワクチン」と増殖力をなくした病原体を使う「不活化ワクチン」があります。
どちらも病気の症状は出ない(または弱い)けれども、免疫システムを準備して、もし本来の病原菌が体に入ってきても、速やかに攻撃して排除できるようにします。
ワクチンは体内で病原体が増殖する可能性があるのですが、免疫力を維持したまま病原体が増えることを抑える新しいワクチンが開発されています。
それが「DNAワクチン」です。
DNAワクチンは病原体のDNAのうち、免疫システムと関わりの深い「抗原」のDNAを利用して、生ワクチンと同じくらいの免疫反応をつくることができる新しいワクチンです。
このため免疫力は変わらず、病原体が体内で増えるリスクは軽減できる期待のワクチンです。
現在、動物に対してこのDNAワクチンが実用化されていますが、ヒトの病気、ジカウイルスについて臨床試験がはじまっています。
他にも開発中のワクチンは、結核やインフルエンザ、エボラ出血熱などがあります。
DNAワクチンの開発が進めば、病気(感染症)になる人がいない・・・。そんな世の中が来るかもしれません。
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