ハイテク VOICE

graduate

臨床工学技士科 卒業

  • 臨床工学技士

加藤 貴充 さん

就職先:大阪大学医学部附属病院 MEサービス部

人の命を預かるパイロットであり、安全点検をする整備士のような存在。 「人の命を守る」という責任の重さにやりがいを感じます。

 もともと機械をいじるのが大好きで、エンジニアや医療系の職業に興味を持っていたのですが、高校の時、進路指導室にあった仕事に関するパンフレットから、たまたま臨床工学技士を見つけたのが、この仕事を知ったきっかけです。手術に立ち会える、人工心肺装置などの機械にも触れられる、そして何よりも、人の役に立てるということに強い憧れを感じ、「将来はこれだ!」と決めました。当時はまだ認知度の低い職業でしたが、将来の可能性に賭けてみようと思いました。
現在は大阪大学医学部附属病院の手術部で、主に手術で使用する医療機器の操作やメンテナンスを担当しています。私を含め20数名の臨床工学技士が、手術部や集中治療部、放射線部、血液浄化部といった病院内の最前線の部門と連携し、技術サポートをしています。臨床の現場では、特に冠動脈のバイパス手術など、心臓血管外科手術で使う人工心肺装置などの準備や操作を行っています。また、集中治療室で心臓や肺の機能が弱った患者様に使用している補助循環装置や補助人工心臓も、細かくチェックしています。このほか、院内の機器全般の計画的な保守・点検作業も私たちに任された大事な仕事です。人の命を預かるパイロットであり、安全試験を行う整備士のようなものですね。
手術とは一つの「チーム」なり、連携しながら行うものです。なかでも、手術中の患者様の管理は、麻酔医と臨床工学技士との連携が大切で、患者様の生命を預かっているという責任の重さを感じる瞬間です。
毎日こうして医療現場の最前線で働いていると、学生の時には「役に立つのかな?」と思っていたことが、いろいろな場面で活きてくることを実感しています。一方で、技術も日々進化を遂げています。ある有名な先生が「医療とは不確実な科学だ」と言われたことがありますが、現場で仕事をしていると本当にそう思いますね。立ち止まっていてはいけない。「昔の常識が今の非常識」なんてことが、医学の世界では本当に多いんです。とにかく、学ぶことすべてが患者様に直結するので、全力投球で取り組んでいます。

臨床工学技士 とは?

チーム医療の一員として医療機器の操作や管理を担当します。手術室で人工心肺装置を操作したり、医療機器センターで機器を点検したり、活躍の場はどんどん広がっています。

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