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iPS細胞を使い、不整脈の特徴再現 ( 朝日新聞2017.10.24 )

こんにちは!生命工学技術科の安達です :a6:
医療の分野の最新情報をお伝えします :a5:
 
毎日のように新しい「もの」の情報が流れてきます。新製品とか新しい技術とか。
でも医薬品や医療の分野で新しい「もの」を世に送り出すのはとても大変です :b12:
 
なぜなら、本当に効果があるかどうかは、その薬や治療法が必要な方、つまり患者さんや病気の方でなければ効果のほどはわからないからです。
 
 
だから医療の世界で新しい「もの」を出すときは、慎重に慎重を重ねて、細心の注意を払って世に送り出してきました :b12:
 
研究の段階では、そこに様々なバイオテクノロジーの最新技術が活用されてきました。
例えば、ある特定の症状がでるマウス(肥満マウスとか!)や、特定の遺伝子の働きを調べるのにノックアウトマウス(1個以上の遺伝子が無効化された遺伝子組換えマウス)を用いたり・・・。
 
でも、そこにiPS細胞ができて、新しい研究手法が導入されました :b1:3
 
iPS細胞から、特定の組織や臓器(例えば心臓の筋肉)を作って、薬の効果や副作用が細胞や組織レベルでどのように影響するかを調べたり、ある病気の方の細胞からiPS細胞を作って、他の方の細胞と何がどう違うのかを調べたりすることができるようになりました :c11:
 
 
今回取り上げたのは、そのiPS細胞を使って不整脈の特徴を再現できたニュースです。
 
ご存知の通り、心臓は一定のリズムで全身へ血液を送り出しています。
この一定のリズム(拍動)が崩れてしまうことがあります。
急に早くなったり、一拍抜けたり・・・。このような一定のリズムではない脈拍(拍動)を不整脈と言っています。
 
 
この不整脈、実は、普段気がつかれていないケースもあるそうですが、病気が原因で起きたり、突然死につながることがあります。
この不整脈がどうして起こるのか、どんな薬が効果を発揮するかわかかれば治療に役立つのですが、この不整脈を再現するのは困難でした :b12:
でも今回この不整脈の複雑な動きを、iPS細胞を使って再現できたとの報告がありました :a7:
 
京都大学iPS研究所によると、山下教授ら京都大学と滋賀医科大学のグループが、iPS細胞から心筋細胞と細胞同士をつなげる役目をする間葉系細胞の2種類を作成し、混ぜ合わせ培養して、立体組織を作成しました。
 
ここに薬剤を加えて不整脈と同じような心電図の波形が得られたそうです。
今後このモデルを使って様々な研究が進めば、どのようにして不整脈が起こるのか、どんな病気が不整脈となって現れるのか、または不整脈からどんな病気が引き起こされるか、さらにどのような薬や治療法が効果を発揮するのか・・・など、病気の解明や治療に役立つことと思われます :a6:  :a7:
これで、また新しい医療の発展につながりますね :a7:
 
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