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祝!ノーベル化学賞受賞「CRISPR/Cas9」についてご紹介!

CRISPR/Cas9Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats / CRISPR associated proteins 9:クリスパーキャス9)とは
2013年に報告されて以来、遺伝子工学に関わる企業、研究室等で幅広く利用されてきたゲノム編集技術の1つです。
マックス・プランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ所長と、
カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授が発見し、今回ノーベル化学賞を受賞されました。
 
このシステムを一言で紹介すると、
DNAの好きな位置を自由に切断できる制限酵素(タンパク質)です
 
DNAを切断できると何ができるの?
遺伝子の働きを調べることができます
実際にどうやるかというと、下記の図をご覧ください。
コメント 2020-10-08 154223
① まずCRISPR/Cas9でDNAに切り込みを入れます。
② すると切られた特定の遺伝子は本来通りには働かなくなります
③ その切られたDNAを持ったマウスをつくります。
④ 作られたマウスは、切られた遺伝子のもつ機能は働かなくなっています。
⑤ 普通のマウスと比較することで、その失われた働きを分析します
⑥ 未知の遺伝子がどのような働きを持っているのか特定することができます。
 
このように、特定の遺伝子の働きを見るだけでなく、
応用すれば、本来持っていない遺伝子を加えたDNAを作ることもできます。
 
有名な映画「ジュラシック・ワールド」などで出てくる
遺伝子組み換えのオリジナル恐竜(インドミナス・レックス)も、
CRISPR/Cas9を使えば作れるかもしれません!
GeFCzZFcXcxgYg7DHRg8
(NEWSCAST記事より引用 https://newscast.jp/news/983088)
 


実際にどんなことができてるの?
★京都大学より
マダイの筋肉の増加を止めるミオスタチン遺伝子を、
CRISPR/Cas9で働かなくすることで、肉厚マダイを開発
http://www.kyoto-u.ac.jp/kurenai/201809/taidan/
 
★国立研究開発法人産業技術総合研究所より
ニワトリのオボムコイド遺伝子をCRISPR/Cas9で破壊することで、
低アレルゲン性卵を作れる可能性
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160407/pr20160407.html


 
今回、ノーベル化学賞を受賞した「CRISPR/Cas9」は
本来の制限酵素と異なり、人間が自由に認識する配列を変えることができる
今まで使われていた技術よりも、より簡単にカスタムできる
 
という特徴があり、
世界中の研究室で利用されるようになりました
 
本校の学外研修でお世話になっている「国立研究開発法人」などでも使われており、
実際に、本校の学生が、CRISPR/Cas9の精度を
より上げるためにはどうしたらよいか?という工夫に関する研究も行ったことがあります
 
そんな技術も含め、
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