
鍼灸スポーツ学科/鍼灸師学科 卒業
- アスレティックトレーナー
- 鍼灸師
山本 隼年 さん
チームの勝利に抱き合って喜び、負けて選手と一緒に泣くなど、スポーツ現場は「喜怒哀楽」を感じる職場です。このやりがいのある世界で活躍できるよう、現場力を身につけてください!
ラグビーワールドカップ2019 日本大会で盛り上がった日本のラグビー。
トップリーグ開幕後も観客動員記録を更新するなどラグビーブームは続いています。そんなラグビー界でアスレティックトレーナー(AT)として活躍する本校卒業生たちを紹介するシリーズ「Osaka HighTech Athletic Trainers in Rugby FootBall」。
第4回目となる今回登場していただくのは、ジャパンラグビートップリーグで奮闘を続ける NTTドコモ レッドハリケーンズのヘッドS&Cコーチ 山本隼年さんです。山本さんは日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(以下、JSPO−AT)資格、CSCS資格(*1)、そして鍼灸師の資格をお持ちです。
(*1) NSCA認定のストレングス&コンディショニングスペシャリスト
Q:まず、ラグビー界に携わるようになったきっかけを教えていただけますか?
当時,現在所属しているチームで S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチのポストがひとつ空き、知り合いの先生から紹介していただきました。ちょうど3月の学校卒業直後のタイミングだったこともあり、縁を感じて着任することになりました。
Q:鍼灸師免許を取得した理由、また鍼灸師+ATの現場での強みを教えてください。
大阪ハイテク入学前は JSPO−AT と CSCS 資格を持ちトレーナー活動をしていました。スポーツ現場で活動する中で,より安全で効率的なスポーツ復帰までのリハビリを提供したいと意識するようになりました。当時からリハビリ後期のアスレティックリハビリテーションやトレーニングは提供できていましたが、ケガの治療や初期のリハビリに関して自分のスキル不足を感じていました。特に治療に関しては鍼灸の魅力を感じ、鍼灸師免許を取得する決心をしました!
Q:NTTドコモレッドハリケーンズでの仕事内容とやりがいを教えてください。
現在はアスレティックトレーナーではなく、 S&Cコーチとしてチームに携わっています。主な役割はスポーツ傷害の予防とパフォーマンス向上です。
パフォーマンス向上として,フィジカル、フィットネスの強化を目的とした S&Cトレーニングの計画・指導をしています。スポーツ傷害予防としては、GPSデータ,s-RPE (*2)などの各種モニタリングを通しての運動負荷の調整を行います。ラグビーはチームパフォーマンスにフィジカルやフィットネスの貢献度が高いので、S&Cコーチとして責任感を感じると共に強いやりがいを感じています。
(*2) 各セッション毎にトレーニング強度を主観的に評価した数値と運動時間を乗算し、選手にかかる負荷を定量化する方法
Q:これからのラグビー界におけるアスレティックトレーナーとしての役割についてどのようにお考えですか?
ラグビーはコンタクトを伴う身体負荷の高いスポーツであるため,選手は少なからず身体に問題を抱えています。
そのような選手が試合や練習に参加できるのは,アスレティックトレーナーによるケアや治療があるからです。ラグビーにおいてアスレティックトレーナーの存在は不可欠であり、必要性はますます高まると考えています。また現在、多くのチームでニュージーランドやオーストラリアなどの外国人コーチ・選手が在籍しています。英語でコミュニケーションが取れるアスレティックトレーナーの価値は高く、外国人選手が増加しているラグビー界にとってこの点はさらに求められると考えます。
Q:専門学校在学中に取り組んでいたこと、心がけていたことを教えてください。
解剖学、生理学は、トレーナー活動全ての面につながる重要な学問です。評価、テーピング、トレーニングなどトレーナーの持つべき知識やスキル全てに通じています。このことから多くの時間をこの2つの勉強に費やしました。また在学中は専門職としての実技(鍼灸、テーピング、トレーニング)を徹底的に練習するいい機会であったので、学生同士で協力して取り組んでいました。
Q:最後に、在学生、またこれから勉強しようと思っている人にメッセージをお願いします。
チームの勝利に抱き合って喜び、負けて選手と泣くなど、スポーツ現場は「喜怒哀楽」を感じる職場です。一般社会では体験することができないとてもやりがいのある仕事です。この世界で活躍できるよう、覚悟を持ってしっかり現場力を身につけてください!
山本さん、ありがとうございました!
山本さんの、そしてNTTドコモレッドハリケーンズのますますの活躍を祈念しています!