臨床工学技士のやりがい・魅力とは?辛かった事もあわせて紹介します!
目次
臨床工学技士は医療機関で働く「医療従事者」であり、近年の医療進歩により医療現場では欠かせない重要な役割を果たしています。今回は、臨床工学技士のやりがいや仕事内容などを詳しく紹介します。
臨床工学技士のやりがいは?
臨床工学技士は医師や看護師と連携し、患者の命を守るために最先端の医療機器を効果的に使用する仕事です。具体的には、人工呼吸器や人工心肺装置と呼ばれる生命維持装置の管理や手術室での機器操作など、医療機器を扱うことに関して多岐にわたります。
臨床工学技士は患者の命を救う以外にも、さまざまな「やりがい」が感じられます。以下で詳しく紹介します。
人の命を救う仕事である
臨床工学技士は、医療機器をとおして間接的に患者の命に関わります。そのため、責任はとても大きく、常に緊張感を持って業務に臨んでいます。しかし、患者や同僚から感謝される瞬間も多く、その都度大きなやりがいと達成感を感じられる点も臨床工学技士の魅力といえます。
最先端の医療機器や知識に触れられる
医療技術は日々進化しており、新しい機器や技術が次々と導入されています。AIを使った医療機器や最新の手術ロボットの操作など、扱う機械もさまざまです。こうした最先端の医療機器に触れる機会が多くあるのは、臨床工学技士のやりがいといえるでしょう。
チーム医療の一員である
臨床工学技士は基本的に単独行動をせず、医師や看護師と連携して患者の治療にあたります。手術室で医師が手術を円滑に進められるように、臨床工学技士が手術器具や生命維持装置を管理・操作する機会もあります。
また、ICU(集中治療室)では看護師とともに患者の状態をモニタリングし、必要な対応を迅速におこなうのも業務の一環です。したがって、医療チームの一員として患者の治療に貢献できるのも臨床工学技士の大きなやりがいです。
日々スキルアップができる
医学の世界は、新しい機器や技術が次々と導入されています。そのため、常に最新の知識と技術を習得しなければなりません。新しい人工呼吸器についての研修や最新の血液浄化装置の操作を学ぶセミナーなど、自己研鑽する機会が多くあります。
また、AIを活用した医療機器の導入にともない、操作方法や診断支援システムの理解が求められる場面もあります。このように、臨床工学技士は常に自己成長を感じられる点は大きなやりがいといえるでしょう。
臨床工学技士になって辛かったこと
臨床工学技士はやりがいや魅力を感じる一方で、さまざまな困難に直面するケースもあります。以下では、臨床工学技士の仕事で大変な部分について紹介します。
対応する業務の範囲が広い
臨床工学技士の業務範囲は広く、医療機器の管理や操作、メンテナンス、さらには新しい機器の導入や研修など、多様な業務をこなさなければなりません。たとえば、手術前の機器の準備や緊急時の対応、定期的な機器の点検など日々の業務は多岐にわたります。
業務範囲が広いのは臨床工学技士の大変な点ですが、多様な業務を担当することで自身のスキルや知識が向上できるのはメリットともいえるでしょう。
当直業務やオンコールがある
臨床工学技士は緊急時も対応できるように、24時間体制で医療機器の管理や操作をおこないます。夜間に急な機器トラブルが発生した場合、迅速に対応しなければ患者の生命の危険も考えられるためです。また、ICUや手術室などの現場では、常に緊張感を持って対応しなければならないため体力や精神力が必要不可欠です。
一方、過酷な医療環境で経験を積むことで自分自身の実力や信頼性が高まります。患者や医療スタッフから信頼が得られる点は、臨床工学技士のやりがいともいえます。
臨床工学技士に向いている人
臨床工学技士に向いている人は、以下の4つの特徴を持っています。ひとつずつ詳しく解説します。
- 人命救助の仕事に就きたい
臨床工学技士は医療現場で働く専門職として、人命救助に喜びを感じる人に適した仕事です。たとえば、人工心肺装置や血液浄化装置のセッティングをおこなうことで、患者の生命維持に直接関与できます。このような業務に対して強い責任感と使命感を持てる人は、臨床工学技士として適しています。
- 新しいもの好き
医療技術は日進月歩で、新しい医療機器や技術が次々と登場しています。具体的には、電気メスや人工呼吸器など、新しい技術に対して積極的に学び続ける姿勢が求められます。こうした新しいものに対する好奇心が旺盛な人は、臨床工学技士としての成長が期待できるでしょう。
- 工学好きの人
臨床工学技士の業務は、手術室での機器操作やICUでの患者モニタリングなど、細かな技術が必要な場面があります。工学的な視点で問題解決を図り、正確に業務を遂行できる人は、臨床工学技士に適しているといえるでしょう。
- 仲間と連携して仕事を進めたい人
臨床工学技士はチーム医療の一員として患者に接する機会が多く、コミュニケーション能力も重要です。医師や看護師と連携し、患者の状態を共有しながら治療にあたるため、ほかの医療スタッフとの円滑なコミュニケーションが求められるためです。学生時代からチームプレイが好きな人、協調性のある人は臨床工学技士として適性があります。
臨床工学技士の資格を活かせる仕事
臨床工学技士の資格を活かして働ける仕事は多岐にわたります。国家資格取得後にどのようなキャリアパスがあるのか、具体的な職種や魅力について解説します。
医療機器メーカー
臨床工学技士の資格を活かして働ける医療機器メーカーでは、製品の開発や品質管理、技術サポートなど多岐にわたる業務を担います。最新の医療機器の設計や改良に関わることで、より多くの患者さんに安全で効果的な治療を提供できます。
また、臨床工学技士の資格保有者は医師や看護師と対等に会話できるほど医療知識が豊富なため、即戦力として採用されるケースも多いでしょう。
臨床工学技士以外の医療従事者
臨床工学技士以外の医療従事者として働く場合でも、医療分野における専門知識とスキルは大いに役立つため、多様なキャリアパスが開かれています。例えば看護師業務では、臨床工学技士としての経験を活かし、看護師として医師のサポートや患者のケアにあたれます。とくにICUなどの高度な医療機器を使用する現場では、臨床工学技士の知識が非常に重宝されます。大阪ハイテクでは、看護師の国家資格を取得してから、1年間で臨床工学技士の資格が取れる学科(臨床工学技士専攻科)もあるため、看護師資格を取得してから、入学される方もたくさんいらっしゃいます。
臨床工学技士の講師
臨床工学技士の養成校で講師として登壇するのは、豊富な経験と知識を次世代に伝えるやりがいのある仕事です。臨床工学技士の講師としての経験は自身の知識を再確認する機会にもなり、臨床工学技士としてのスキルアップにもつながります。
まとめ
今回は、医療従事者を目指す学生に人気の「臨床工学技士」について解説しました。臨床工学技士は患者の命を支える重要な役割を担い、最先端の医療機器に触れながら成長を実感できる仕事です。臨床工学技士を目指す人は今回の記事を参考に、今後のキャリア形成にぜひ役立ててください。