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【臨床工学技士科】ECMO(エクモ)についてご紹介します!

今回は新型コロナウイルスの治療でも話題になっている『ECMO(エクモ)』という治療機器の仕組みについてのご紹介と、実際に臨床現場でECMOを扱っておられる臨床工学技士のTさんにお話しを伺えましたのでご紹介させていただきます!

ニュースなどではECMO『人工心肺装置』と紹介されていますが、Extra Corporeal Membrane Oxygenationでの略で、正確には『体外式膜型人工心肺による酸素化』という意味になります。

似たような装置に、PCPSPercutaneous Cardio Pulmonary Support:経皮的心肺補助)と呼ばれるものがありますが、装置自体には変わりがなく、目的によって呼び名を変えています。原理は、足にある太い血管から患者様の血液を取り出し、膜型人工肺という機械で酸素化した血液を、首にある血管に送るというしくみが一般的です。

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(ECMO使用中の画像:Tさんよりご提供 / 患者様から取り出した暗赤色となっている酸素の少ない血液が、人工肺を通ると血液が酸素化され、鮮赤色となって患者様の体内へと戻ります)

大阪ハイテクの卒業生であるTさんは10年以上も循環器治療の第一線で活躍されており、この度、ハイテク内にある人工呼吸器の状態や台数確認の目的でご連絡いただきました。

大阪ハイテクでは医療機器を数多く備えており、いつでも臨床現場でも使用できる状態で設置しているんですよ!

<Tさんへインタビュー>

  • Q:どんな時にECMOが選択されるのですか?
  • A:人工呼吸器を使用しても患者様の体内へ十分な酸素を送り込めないと判断された時ですね。肺が病気で固くなったり、水浸しのようになってしまうと、人工呼吸器でも酸素を送り込むことができなくなるんです。

 

  • Q:人工呼吸器との違いは何ですか?
  • A:ECMOでは患者さんの体から血液を取り出し、肺の状態に関係なく直接血液に酸素を取り込ませて、再び全身へ戻すことが可能になる点が大きく違いますね。

 

  • Q:ECMOを操作する上で難しい点は何ですか?
  • A:機械のセッティング自体は、緊急時に使用されるものなのでシンプルになっており、あまり難しくはありません。1年目の臨床工学技士でも十分に対応できますが、機器の管理をする上では、患者様の血液データや画像データから、肺の状態や全身状態などを判断していくことが求められ、医師からも意見を求められることもあるほどです。正しい判断をするには、たくさん勉強していくことが大切ですね!!

 

  • Q:どのように頑張っていけばいいでしょうか?
  • A:普段から「ただ単に機器を操作する」というのではなく、「丁寧に考えていくことを積み重ねる」ことが大切です。あとは、周囲の医療スタッフとも良好なコミュニケーションを取り、議論を重ねるということも大切ですね!もちろん、勤務してからも多くの本を読んで、日々勉強していく高い向上心も大切です!

Tさんありがとうございました!

まだまだ医療施設では大変な状況が続くと思いますが、これからも医療機器のスペシャリストとして医療現場を支えていって頂きたいと思います!

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