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トレーナーを目指す君たちへ⑥

第6回 AT(アスレティックトレーナー) の資質 その2

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部活に精を出す中学生や高校生が大きなケガをして病院にかかった時に、「こんなケガをするスポーツはもう止めなさい。あなたはそれを将来仕事にして食べていく訳ではないでしょう。」と言われたとしたら、その子はどんな気持ちになるでしょう。時計を巻き戻したいと思うでしょうか。違うチームにいればこんなことにならなかったと思うでしょうか。否定し、混乱し、様々な感情が渦巻く中で、絶望してしまうかもしれません。

スポーツをしていてケガを100%防ぐことは不可能かもしれません。しかし、そのケガは本当に如何ともし難い原因で起こったのでしょうか。練習、トレーニング、スキルの習得などは適切に行われていたのでしょうか。ケガを防ぐという意識が、果たして指導者や本人にあったのでしょうか。すべきことをせずしてそんな状況に陥ったとしたなら、本当に悔やまれることになります。

また、整形外科の医師でもスポーツに詳しい方ばかりではありません。例えば同じケガを日本スポーツ協会公認スポーツドクターの整形外科医に診てもらえば、別の所見を得られるかもしれませんし、何か手立てがあるかもしれません。「止めなさい」「休みなさい」だけでなく「こうしてみなさい」というアドバイスが得られることも多いのです。

仮に手術することになったとして、病院でのリハビリは基本的に日常生活レベルへの復帰が目的となり、競技復帰までにはまだ取り組むべきことが残されています。また、どうせなら、ケガの原因となったことをできる限り克服した状態で復帰したいと考えるはずです。落ち込む気持ちに寄り添い、どうすればいいのか道筋を示してくれる人がいたら、前向きに取り組むことができるかもしれません。ケガを克服する過程で、栄養の取り方や休養の取り方など、日常生活のあり方を見直すこともできるかもしれません。そして、その困難な状況を克服した時、きっと何かが大きく成長しているでしょう。

さてこの一連の流れの中で、そばにいてくれたらいいなと感じるのはどんな存在でしょう。そんなことを考えながら、このブログシリーズを始めから読み直してみてください。また違う感覚になるかもしれません。そして、そのような存在になるためにはどのような資質が必要か、よりよく理解できるかもしれません。

スポーツを通じて得られる恩恵は、それを生業にしている一部の人だけのものではありません。老若男女を問わず、その気になれば誰もが得られるものです。そしてアスレティックトレーナーは、様々なスポーツシーンで頑張る人の役に立つ存在です。スポーツシーンに限らず、健康維持のための運動が好きだという人の役に立つことももちろんできます。スポーツや運動が好きで、そこに関わった仕事がしたいと考える人は少なくないと思います。その中でもアスレティックトレーナーは、これができると具体的に専門性を示しやすいスペシャリストです。「どうすれば健康的にやせられる?」「運動したいけれど、どんなことから始めたらいい?」といったことから、「前十字靭帯を切って手術をした後、国際競技レベルまで復帰する」というようなことまで、こうしようという具体的な方法を示すことができる存在なのです。

そんな存在になるために努力を重ねて貪欲に自らを向上させる。そして、それは自分のためではなく誰かの役に立つ事につながる。頑張って自らをさらに向上させる。こんな意識を持ち続けられることが、一番の資質なのかもしれません。誰かのために一生懸命頑張れる人は魅力的です。だから、こんな人は人間的にも素敵な存在になれるように思います。

さて、このブログを読んだことで、アスレティックトレーナーについて少し理解が深まったのなら幸いです。アスレティックトレーナーの仕事、それはほんの小さな力かもしれません。しかし、体の中の様々な化学反応が、微量のビタミンやミネラルで活性化されるように、あまり目立たないけれども必要不可欠なものであると信じています。アスリートは目に見えて魅力的です。楽しく運動している人は輝いて見えます。そしてそんなアスリート達にとって魅力的で素敵な存在である、そんな仕事ができる人を育てていきたい、私はそう考えています。決して楽な過程ではありませんが、チャレンジすると覚悟を持った人を、全力でサポートすることが今の私の仕事です。心構えは、現場のトレーナーとなんら変わることがありません。みなさんが将来のビジョンを考える上で、何かのお手伝いができたことを願って、筆を置くことにします。

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