なぜ女性の方が平均寿命が長いのか?寿命の性差のメカニズムを解明!
みなさん、こんにちは。
みなさんは日本人の平均寿命の男女差はご存じでしょうか?
今の日本の寿命は、男性が81歳、女性が87歳です。
では、性別によって平均寿命に差があるのはなぜでしょう。
女性ホルモンの影響、健康への関心度の高さなど色々な原因が挙げられますが、
この度、生殖細胞に着目して行った研究成果が報告されました。
2024年6月13日に大阪大学微生物病研究所から発表された、
「オス、メスの生殖細胞の構造の違いによる、老化や寿命の制御」についての論文です。
簡単にまとめると、
・生殖細胞(精子や卵子)を除去したターコイズキリフィッシュという魚で実験した
・本来、この魚はメスのほうが20%ほど寿命が長い
・生殖細胞除去の結果、雌雄の寿命はほとんど同じになった
⇒寿命の差がなくなったので、寿命の性差は除去した生殖細胞に関連しているのではないかと考えられる
では、その原因は何かを調べたところ
・オスの生殖細胞の除去によりビタミンDの活性化タンパク質がよりたくさん作られた
・除去して活性化したので、生殖細胞がビタミンDシグナルを抑えていると考えられる
(ビタミンDは、様々な組織で健康に関与している報告が多くされている)
さらに、
・除去していない魚の体にビタミンDを投与したところ、平均寿命が長くなった
⇒生殖細胞の違いやビタミンDが脊椎動物の寿命に関与していることが示唆される!
こんな感じの内容になります。
非常に興味深く、我々の寿命のメカニズムを解き明かす重要な発見だと思います。
実は、男女ともに平均寿命もこの一世紀ほどで約50歳も延びたのですが、
こちらには医薬品や食品分野の発展と発達などが関わっています。
例えばドラッグストアで当たり前のように売られている医薬品達、
約50年ほど前にはそのほとんどは売られていなかったのです。
医薬品や食品はそれほどまでに大きく、
人類の健康に大きく貢献している重要な分野だということがわかりますね。
バイオ・再生医療学科では、
再生医療、医薬品や化粧品、食品などの技術や知識について学び、
将来の業界を担うバイオ実験技術者を育成しています。
みなさんもこういった研究に興味があれば、ぜひオープンキャンパスを聞きにきてくださいね。