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「アメリカンフットボール」と「熱中症」と「予防」④

今回は、予防法の2回目です。
前回はチームへの教育について記しました。今回は、具体的な
予防対策について記します。
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【フリーアクセス・フリードリンク】
私の学生の頃は、フリードリンクへの過渡期でありました。今では飲水の制限をするチームはもうないと思いますが、ブレイク(休憩)に限らず、いつでも選手の手の空いた時に、少なめの量を回数多く飲むように指導してください。
フリードリンクと合わせて、いつでも選手が手が空いた時に飲めるように飲水にフリーアクセスできるようにしてください。
具体的にはボトルに氷を入れた冷水を用意して、練習ポイントごととに配置します。マネージャーにはボトルの入れ替えを頻繁にしてもらいます。ブレイク(休憩)の時間でなくても、選手が練習の合間に飲めるようにしてあげてください。
【WBGT
昔は値段が高くて、手が出せませんでしたが、今では新しいテクノロジーを組み入れた、部費で買える値段まで下がってきました。
環境省のWBGT(暑さ指数)に関するHPを載せます。参考になるので読んでみてください。
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
WBGT計を用いて普段の練習環境を測定すると、夏場は大変危険な環境であることがわかるはずです。
また、夏合宿など初めて練習や試合する場所の熱中症に危険度を客観的に把握するのに優れています。
【練習計画】
これは日本の夏にアメリカンフットボールの練習をするうえで、非常に重要になります。日本では、梅雨が明けると一気に気温が上がります。加えて、湿度も梅雨に引き続き高いままです。
高温と高湿度がセットになって、熱中症の季節がスタートします。この時期に練習強度を一度下げてください。
具体的にはフルスーツ(防具を全て身に着けること)の練習メニューをやめて、走り込みやスピードトレーニングなど体力づくりの練習内容に変更します。ここから徐々に暑さに慣れてきたら、ハーフスーツ(上半身のみ防具をつけること)のメニューを取り入れます。さらに慣れてきてから、フルスーツのメニューに移行してください。だいたい2週間ほどで元の練習メニューに戻す計画が必要です。
ただ、大学の試験や夏合宿の日程で2週間も暑さに慣れるために時間を割けないチームもあると思いますが、梅雨明けに練習強度を一度下げて、選手を暑さに慣れさせることを絶対行ってください。
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【日中を避けた練習時間】
夏季は12時から15時までの練習は避けましょう。出来れば15時から練習開始するのが良いです。
朝9時から練習を始めると、練習が進んで選手が消耗するにつれて、太陽は高く上り、暑熱環境は苛酷になってきます。その結果、熱中症が発生しやすい時間に、選手は最も消耗している状態におかれます。
15時からの練習でも、当然練習が進むに従って選手は消耗しますが、日が落ちて、環境は良くなってきます。
ただ、暗くなるので練習時間を短く効率的に運用する必要があります。更に、練習後のミーティングに割く時間を考える必要があります。選手の睡眠時間を確保するためにも練習後は早めに帰宅させて、遅くまで残ることは避けましょう。出来れば、翌日の午前中や練習前に時間を設けるのが良いと思います。
 
次回は、「アメリカンフットボール」と「熱中症」と「予防」の最終回です。具体的な対策の続きを記します。一人でも熱中症になる選手を救えればという思いで記しています。是非、参考にしてください。
 
専任教員:林
 
 

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