物理演算とは?PCの中の世界はどうなっているのか
人工知能学科の臼井です!
皆さんはゲーム好きでしょうか?
どんどん新しいタイトルが発売されていますが、学生の話を聞いていると、据え置き機ならスプラトゥーンやゼルダの伝説、FPSなどのPCゲームならAPEX LegentsやValorantが人気のようです。
ところで、あのような現実世界さながらのゲーム映像はどのようにして作られるのでしょうか?
その答えは『物理演算』にあります!
物理現象は全部、方程式で表せる!※諸説あります
高いところからボールを落とすと、ボールは下方向に落下していきますね。
このとき、ボールの速度は徐々に速くなって落ちていきます。このボールの速度は
v=v_0+gt ( v :速度、 v_0 :初速度、 g :重力加速度、 t :時刻)
という方程式で求めることができます。
初速度というのは、時刻を計測し始めた瞬間の速度と考えます。もし、手を離した瞬間の速度が0ならば v_0=0 となるので、先ほどの方程式は、
v=gt というシンプルな形になります。重力加速度 g=9.8[m/s2] とすれば、
時刻 t | 速度 v |
0 [s] | 0 [m/s] |
1 [s] | 9.8 [m/s] |
2 [s] | 19.6 [m/s] |
3 [s] | 29.4 [m/s] |
ですね。時刻が進むごとに速度が上がっていくことが明らかになりました。
では・・・
100mのタワーからボールを落とすと何秒後に地面に落ちる?
方程式を応用すれば、100mのタワーからボールを落としたとき、何秒後に地面に落ちるか計算で求めることができます!
それがこちらの方程式↓
※この問題では空気抵抗等の他の要素は考えないものとします
ちょっとややこしくなりました。ポイントは左辺が v ではなく、 x となっている点です。
今回も手をそっと離して初速度を0( v_0=0 )とすれば先ほどの方程式は、
大体4.5秒後になるとのことです!
物理演算で確認してみよう!
PCの中でシミュレーションをして、本当に100mのタワーからボールを落とすと4.5秒後に地面に落ちるか確かめてみましょう。
その結果・・・
見事に4.5秒かけて落下しました!
実はこのシミュレーターこそが、物理演算を利用しているのです!
実際にボールが落下し始めた瞬間から、ボールの速度や方向、重力加速度の大きさを用いてシミュレーションを行っています。
※「演算」とは、単に数値計算を行うことを指す言葉です。方程式を変形したりすることとはちょっと違います。
物理演算で未来を予測する
物理演算の仕組みを使えば(正しく方程式が立てることができれば)ある物体が何時間後、何日後にどこにいるかも計算で分かります。
宇宙探査機のような、途方もない距離や時間をかけて移動するものも、全て計算によって計画され、また制御されていると考えると、とてもロマンを感じますね!
大阪ハイテクの人工知能学科では、3Dの物理演算ソフトを使ってロボットを設計したり、シミュレーター上でAIを実装してロボットを自律制御させる授業も行っています🤖
オープンキャンパスではPCを用いた体験実習もご用意しておりますので、興味のある方は遊びにきてくださいね!