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アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として必要なスキルを実技試験から読み解く!~part3~

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日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)資格試験における現行ルールの実技試験。

ふたつ目のカテゴリーはアスレティックリハビリテーションです。新カリキュラムではリコンディショニングと呼ばれるこの業務は、負傷したアスリートを競技復帰に導くトレーニングです。患部の回復のみならず、競技復帰するに足る患部以外の強化や全身持久力の強化もこれに含まれます。理学療法士の行うリハビリとは異なり、競技に復帰するにあたって傷害の原因を克服し、パフォーマンス向上に必要な要素を底上げすることが求められますので、動作改善をはじめ全面性の取り組みが重要なのです。全面性とは全身という意味のみならず、スポーツをするにあたって必要な可動性、筋力・筋持久力、協調性、全身持久力、敏捷性、スキルなどの体力要因に加えて、栄養摂取や心理的要因に至るまで全ての要素を意味します。現場ではスキルトレーニングや食育、メンタルトレーニングなども含めて考えることになります。

実際の試験では、これらを全て網羅する訳にはいきませんので、11分間という時間制限の中でできることを行います。この制限の中でも価値のある指導をするためには、短時間で問題点をできるだけ正確に把握し、目指すべき目標を設定し、対象アスリートにも理解を求めながら指導する必要があります。指導している最中も評価する感覚を忘れず、問題を孕んだまま指導を押し付けることがないように注意します。ということは、過去問を覚えて型にはめた方法では、本質を見失うことになるかもしれません。いわゆるエビデンスに従ったプロトコルとして典型的なパターンを覚えることも大切ですが、同じ診断名でも同じ方法で常に同じ結果が得られるとは限りません。目の前の人がそもそもどんな発生機序で負傷したのか、どんな機能解剖学的特徴を持ち、どんなレベルのどんな競技復帰を目指すのか、ポジション特性はどうなのか、そのほかどんな克服すべき発生要因が考えられるのか、見抜き、考え、想像し、創造する力を養うことが理想的です。マニュアル通りの指導と、カスタムメイドの指導で比較して、11分間の時間を対価に変換して考えるのもいいかと思います。次回の記事では負傷後間もない初期のリハビリテーションについて考えてみましょう!

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