柔道整復師になるには?免許取得までの流れや求められるスキルを紹介
目次
柔道整復師は、骨折や脱臼などの外傷を手技療法で治療する専門家です。柔道整復師になるためには、認定を受けた養成施設を卒業して国家試験に合格する必要があります。本記事では、柔道整復師の免許取得までの詳細な流れや、求められるスキルについて解説します。柔道整復師に必要な素養について知り、これからの勉強に活かしましょう。
柔道整復師になるには、どうすればよい?
柔道整復師になるには、高校卒業後に養成学校に通って国家試験の受験資格を得た後に、国家試験に合格して免許を得る必要があります。柔道整復師の養成学校としては、養成課程のある3年制以上の専門学校、柔道整復学科のある4年制大学のいずれかに通います。
国家資格の取得が必要
柔道整復師は、国家資格によって定められた職業です。試験は1年に1回、毎年3月に、全国の主要都市で受けられます。試験内容は筆記のみのマークシート形式で、2024年度試験の合格率は66.4%でした。
柔道整復師になるための学校
柔道整復師になるには大きく分けて、専門学校か大学のどちらかに進学します。以下ではそれぞれのメリットデメリットを紹介します。
専門学校
専門学校は3年制のところが多く、柔道整復師になるために必要な知識をより早く身につけられます。資格取得や就職支援制度が充実している学校も多く、時間を無駄にすることなく最短で柔道整復師になれます。
大学・短大
大学や短大は、柔道整復師に必須の知識以外の一般教養も広く学べます。とくに4年制大学を卒業すれば学士資格が得られるため、一般企業への就職も可能です。専門学校に比べると時間とお金がかかってしまいますが、将来のことだから慎重に決めたいと思う場合は大学に行ってみるのもよい経験です。
【注意】通信教育では取得できない
近年では通信教育でさまざまな資格を取得できますが、柔道整復師資格や試験の受験資格は通信教育では取得できません。柔道整復師は医療従事者の一員であり、その知識や技術の使用には大きな責任が伴います。通信教育では十分な教育ができないため、養成学校への通学が必須になっています。
柔道整復師になるまでの流れ
柔道整復師は、どのような過程を経てなるのでしょうか。以下では、柔道整復師になるまでの流れについて解説します。
STEP1.高校卒業後、養成学校へ通う
柔道整復師になるにはまず高校を卒業して、柔道整復師の養成施設として認められている学校に進学する必要があります。養成施設は認定を受けている専門学校、大学などから選び、いずれかで3年以上の学習をします。
専門学校を選んだ場合は、定められたカリキュラムを修了します。大学に進学する場合は、柔道整復師学科のある学校を選びましょう。
STEP2.専門学校・大学で受験資格を得る
専門学校や大学などに進学したら必要なカリキュラムをこなして、柔道整復師国家試験の受験資格を獲得します。養成施設のカリキュラムには解剖学や生理学、一般臨床医学、整形外科学など、医学的なものが含まれます。
また、養成施設では座学だけではなく柔道整復の実技についても学びます。柔道整復師になるためには実技試験もあります。
STEP3.柔道整復師の国家試験を受験
養成学校で3年以上の学習課程を経て受験資格を得たら、いよいよ柔道整復師国家試験を受けられます。試験は年1回、筆記試験のみの実施です。合格率は約65%で、しっかり勉強すればクリアできるレベルです。
柔道整復師の試験内容は、一般問題200問と必修問題50問の計250問が出題されます。回答方法は、4択のマークシート形式です。合格基準は必修問題なら総点数の80%以上、一般問題なら総点数の60%以上の得点を得る必要があります。
STEP4.免許の登録申請と取得をする
柔道整復師国家試験に合格したら、柔道整復師免許証の登録を忘れずに行いましょう。柔道整復師の免許を申請するにはまず、申請書請求用紙と140円切手を同封して柔道整復研修試験財団へ送ります。
必要書類が送付されたら、申請書や医師の診断書、住民票の写しまたは戸籍謄本、登録免許税9,000円分の収入印紙、手数料4,800円の振り込み領収書をそろえて送付すると、その後に柔道整復師免許が交付されます。
STEP5.就職する
柔道整復師の免許を取得して活動ができる準備が整ったら、就職先を探しましょう。柔道整復師の就職先には、接骨院や整骨院、整形外科、スポーツクラブなど多岐にわたります。
また柔道整復師を目指す方は、就活時期もさまざまです。人気の就職先は募集が早期に打ち切られることがあるため、国家試験受験前に就活を行う方もいます。一方で受験前は勉強に集中し、試験後に就活に専念する方もいます。自分に合った考え方で、就職活動を行いましょう。
STEP6.経験を積んで独立する選択肢も
柔道整復師として働くなら、どこかに就職せずに自分で開業する方法もあります。柔道整復師は独立で開業できる資格であるため、接骨院や整骨院を開くことが可能です。
ただ開業するだけでなく健康保険の対象となる質の高い施術を行うには、3年間の実務経験と施術管理者研修の受講が必要です。この条件を満たして施術管理者として認められれば、より安定した経営が可能です。
柔道整復師になるには、どのくらい学費がかかる?
柔道整復師になるには、専門学校と大学や短大とで、学費にどれほどの違いがあるのでしょうか。それぞれの学校の学費の相場を解説します。
専門学校
柔道整復師の専門学校の学費は、昼間部で300万円から500万円ほど、夜間部の場合はさらに低額になります。1年目にかかる費用は、授業料や入学金などを含め、約150万円ほどです。特待生制度や奨学金制度を利用すれば、さらに学費が免除されることもあります。
大学・短大
柔道整復師になるための学費は、大学や短大だと300万円から700万円ほど必要です。1年目にかかる費用の内訳は専門学校と同じく、金額は190万円ほどです。大学は専門学校に比べて在籍期間が長いため、その分学費負担も大きくなります。
柔道整復師になるための学校の選び方
柔道整復師の養成施設は、専門学校と大学で約100校あります。将来のためにどのような学校を選べばよいのか、そのポイントについて解説します。
国家試験合格に必要なカリキュラムが揃っているか
柔道整復師になるには国家試験に合格する必要があるため、その勉強に役立つカリキュラムが整っていることが必須です。1年次から段階的に知識をつけられるプランやサポートがあるのか、しっかりと見極めましょう。
理論と実技、両分野の習得が可能か
柔道整復師の勉強は知識を覚えるだけでなく、人体の動きや整復の施術について実践の場面で身につける必要があります。資格を取得して働き始めたときに会得したスキルが実際の現場で通用するように、理論と実技の両方を磨きましょう。
実際の現場で実習が受けられるか
柔道整復師の学校の選び方としては、現場での実習が可能かどうかも大きなポイントです。学生のうちから実際の現場の雰囲気やコミュニケーションの取り方などを経験していると、社会に出てからよりスムーズに仕事に取り組めます。
最前線で活躍する指導員が所属しているか
医療現場で役立つ生きた知識や技術を学ぶためには、最前線で活躍している教員から学ぶ機会があることも重要です。患者さんへの施術やコミュニケーションで気をつけるとよいことなどを、プロの視点から指導してもらえます。
接骨院への就職実績は豊富か
将来の就職先まで見据えて学校を決める場合は、接骨院や整骨院への就職実績が豊富なところを選びましょう。接骨院などは柔道整復師の活躍の場として一般的であり、もっとも安定した進路のひとつです。堅実な職場で働きたい方におすすめです。
柔道整復師になるために必要なスキル
柔道整復師になるためには知識や国家資格だけでなく、患者さんに寄り添うコミュニケーション能力などの人間性も必要です。柔道整復師に必要なスキルを知って、これからの学びに役立てましょう。
施術に関わる専門的な知識、治療技術
柔道整復師になるにはまず、患者さんの治療を行うための専門的な知識や治療の技術が必要です。柔道整復師が骨折や脱臼への治療を行う際は、固定や整復などの手技的な手法を用います。
そのため、関節ごとに可能な動きや身体の各部位の可動域を知り、患者さんの痛みを和らげて体を動かしやすくする施術スキルが求められます。人体に関する理解やケガへの知識を深めて、患者さんそれぞれに合った施術ができるようにしましょう。
コミュニケーション能力
柔道整復師には、症状をわかりやすく伝えたり、患者さんに親しみを持ってもらったりするためのコミュニケーション能力も必要です。患者さんの中には問診に慣れていない方もいるため、対話から訴えを引き出すテクニックが必要です。
また柔道整復師として働くのであれば、症状やそれに対する施術について説明する「インフォームド・コンセント」をしっかりと行う必要があります。医療現場では患者やご家族と話す機会が多くあるため、コミュニケーション能力は必須のスキルです。
柔軟性や観察力
柔道整復師として働きたいと考えている方は、柔軟性や観察眼も鍛えておきましょう。医療の現場には年齢や性別、悩みなどが異なる方々が日々訪れます。このような方一人ひとりに満足のいく医療サービスを提供するには、柔軟性のある対応を行うことが不可欠です。
また、柔道整復師には患者さんの症状を見抜く観察眼もあるとさらに仕事に役立ちます。患者さんご本人も気づいていない身体の不調や変化がある場合、それを見つけられるかは柔道整復師の観察眼にかかっています。
まとめ | 柔道整復師になるには専門学校へ通おう
柔道整復師になるには専門学校や大学などで3年以上学び、その後の国家試験に合格する必要があります。時間とお金を無駄にせずにすぐに柔道整復師として活躍したいなら、大阪ハイテクノロジー専門学校で勉強するのがおすすめです。大阪ハイテクノロジー専門学校は柔道整復師とJSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)資格のWライセンス、そして午前中のみのカリキュラムで柔道整復師が目指せる学校でもあります。あらゆる業界への就職実績も豊富で、就職率は毎年100%を実現しています。