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脛の骨の話②

「脛」につく筋

「脛」を真ん中あたりで輪切りにすると、中にたくさんの筋肉が詰まっていることがわかります。ここからは筋肉ではなく、筋と呼びますね。おもしろいことに、あの人にはこんな筋があるけど、この人はこんな筋がある、というような個人差はほとんどありません。みんな、同じように筋が配置されています。たくましいふくらはぎと細いふくらはぎでは、個々の筋の太さが違うということです。ここでは脛骨にくっついている筋のうち3つだけ選んで紹介します。

 

ふくらはぎの奥にある3つの筋

「脛」を内斜め後ろから見て、中を透かしてみましょう。一番深いところにあるのが「後脛骨筋(こうけいこつきん)」という筋です。脛骨の後ろにあるということがわかる名前ですね。その上に乗っかっているのが長趾屈筋(ちょうしくっきん)です。趾は足の指という意味なので、これは足の指を曲げる長い筋という、働き(とサイズ)から付けられた名前になります。さらにその上にはヒラメ筋という魚のヒラメのような平べったい形をしているところから名付けられた筋があります。

 

筋の働き

筋の働きは縮むことです。筋の収縮(しゅうしゅく)といいますが、これにより骨を引っ張って関節を動かし、運動することができるのです。ということは、それぞれの筋がどの骨のどの部分にくっついているかがわかれば、どんな働きをするのかということがわかります。先の3つの筋は脛骨の裏側から下降し、足首の内側を後ろから越えて足の骨や足の指の骨に付いています。共通する働きは足首を伸ばすことです。この動きを足の底屈(ていくつ)と呼びます。走ったり、跳んだり、ステップを切ったりする時など、スポーツの中で欠かせない動作ですよね。これらの動きをする直前、足首は一瞬逆方向に動きます。つま先を上げる背屈(はいくつ)という動きですが、実際には足先はついたままでかかとが落ちるような動きになりますよね。この時、足首を底屈させる筋が引き伸ばされることに気づきますか。実は引き伸ばされながら収縮する時に筋の緊張は最も高くなるのです。

 

骨が傷む時

この筋の働きが、骨が傷むことにどうつながるのでしょう。ここで第1話に出てきた、骨が成長するときの筋との長さ関係を思い出してみましょう。「脛骨」が伸びる中、筋の長さは相対的に短くなっていましたね。その結果。筋の緊張は高くなる傾向にありました。そこにさらに緊張を強いる動きを繰り返すと、筋が付着している部分には引き剥がされるような力が加わると想像できますか?右図の丸の中の絵は「脛骨」裏側で、オレンジ部分はヒラメ筋の、部分は長趾屈筋の、そして部分は後脛骨筋の付着部です。この辺りずいぶん引っ張られそうですね。

成長期に「脛」の骨の内側がひどく痛んだことのある人はいませんか?なぜ痛んだのか、今ならわかりますね。骨の表面は骨膜(こつまく)という膜で覆われているので、実際は骨膜炎という病態になります。フルネームは「脛骨過労性骨膜炎」。いわゆるシンスプリントと呼ばれるものです。

また、「脛骨」を弓に見立てると、「脛骨」の後ろを走る先程の筋たちは弦にあたりますね。弓の弦を引き絞ると、弓のしなりは強くなります。ここに地面を踏んだり着地したりするときの衝撃が加われば脛骨への負荷はさらに大きくなりますね。成長期の骨密度増加の遅れということも考えると、この「脛骨」の歪みは「疲労骨折(ひろうこっせつ)」を引き起こす可能性がある、ということになります。事実全身の骨の中で最も疲労骨折を起こしやすいのが、この「脛骨」なのです。

 

「脛骨」はさまざまなストレスに耐える働き者だということがわかってきましたね。勤労の象徴になって然るべしという気がします。さて、今回のお話しはここまで。次回はこの「脛骨」に影響を与える他の要因についてお話しします。

それでは、また。

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